慶應義塾

幕末の大阪、蘭学者・緒方洪庵の「適塾」に学んだ福澤諭吉は、故郷である中津藩(現在の大分県)の命を受け江戸(現在の東京)に下り、1858(安政5)年に蘭学塾を創始しました。これが慶應義塾の起源です。その後、三度の海外渡航により敢為な精神をもって欧米諸国を見聞した福澤は、古いしきたりにとらわれない教育を実践し、慶應義塾の伝統の礎を築きました。

封建制度下の江戸から文明開化の明治へと時代が大きく転換する中、著作『学問のすゝめ』で人間の自由・平等・権利の尊さを説き、新時代の先導者となった福澤諭吉。その教育理念は今日まで慶應義塾に脈々と受け継がれています。「独立自尊」(「独立」は権力や社会風潮に迎合しない態度、「自尊」は自己の尊厳を守り何事も自分の判断・責任のもとに行うこと)や「実学」(実証的な学問としての科学を単なる知識としてではなく実際の行動に活かせるように学ぶこと)など、現在も慶應義塾が大切にしている理念は、すでに当時の福澤教育の基礎となっていました。

21世紀のいま、福澤の時代と同様に大きな転換点を迎えています。「独立自尊」「実学」の精神にあらためて立ち返り、自分の頭でものを考えることのできる人材を育て、今日の国際社会を希望に満ちた未来へと先導していくのが慶應義塾の使命です。

現在、慶應義塾は三田、日吉、矢上、信濃町、湘南藤沢、芝共立の6つのキャンパスで、10の学部、14の大学院研究科が、さまざまな分野の教育、研究に取り組んでいます。また、小学校から高等学校そして大学に至る一貫教育としても優秀な人材を育成しているほか、大学病院では最先端の医療に取り組んでいます。

さらに慶應義塾大学は海外240以上の大学・機関と公式に協定を結び、学生や研究者の国際交流も活発に行われてきました。外国人留学生は1,000人を超え、めざましい勢いでグローバル化が進んでいます。また知のグローバル化の中で役割を果たすべく、ソウル、北京、ロンドン、ニューヨーク、 サンフランシスコなど世界11ヶ所に慶應義塾の拠点を設置しています。

2008年、慶應義塾は創立150年を迎えました。日本で最も歴史のある近代総合学塾として、福澤の精神を受け継ぎ、夢と情熱をもって社会の未来を切り拓いていく、そんな国際社会の先導者を育成していきます。