環境情報学部長のメッセージ

情報技術を人のため、社会のためにどう活かすかを一緒に考えよう

湘南藤沢キャンパス(以下、SFC)は、既存の枠に収まらない新たな教育と研究に取り組むことを目的として1990年に創設されました。郊外型キャンパスであるSFCは、先端融合型の教育・研究をベースに、学際的な新たなテーマに取り組むことができるキャンパスです。

社会の中で、人間によってやりとりされる営みはすべて情報であり、それを取り巻くすべては環境と呼ぶことができます。SFCは、人間を中心に据えた新たな社会をつくり上げていくために「環境」と「情報」をキーワードに、先端融合型の学問に取り組むという目的のもと、環境情報学部と総合政策学部を開設しました。

いまや環境と情報は、現代社会における最重要課題であることは自明のことですが、SFCではインターネットが社会の基盤となる以前から、この2つの重要性に目を向けて、実学的、実体験的、臨床学的に先端融合型の勉強や研究活動ができるカリキュラムを組んできました。医療、健康、教育、エネルギー、地球環境……日本がよりよい社会に変わっていくための課題は実にさまざまです。その情報技術は本当に、社会や地球全体に貢献するものであるか。SFCの学生たちにはそういう視点と広い視野をもって、研究に取り組んでもらっています。
 学生の多くが帰国生という国際色豊かなSFCは、創設以来、学生ベンチャーが多いことでも知られています。これは新たなことに挑戦し、その分野を開拓し、リーダーになりなさいというSFCの教育方針そのものが、起業家精神に通じているからでしょう。

2011年からは、英語による授業のみでICTとガバナンスを学ぶことができるGlobal ICT and Governance Academic Program(以下、GIGAプログラム)がスタートします。テクノロジー(先端の技術)とガバナンス(政策、制度、経営)を学び、未来の情報社会に貢献する人材を育てることを目標にしているGIGAプログラムは、SFCの考え方を凝縮したコースです。

そもそもキャンパスというところは、さまざまな人びとが集まる場所です。とりわけ先端融合型の研究・教育分野では、多様性を認識し、理解することが大切です。情報社会では、国境という意識や概念は存在しません。地球全体を1つの空間として考えれば、未来社会の担い手である皆さんには、宗教、人種、地域、文化の多様性を正しく理解できる感性が求められます。

すでにインターネットはグローバルな環境・空間の基盤になっていますが、未来社会を創造するうえで重要なことは、一人ひとりが自律的、分散的でありながら他者と協調していくことです。自らの領域に責任を持って、専門領域を開拓し、かつ他者と協調、連携する。学生の皆さんには、文理融合型のSFCでそんな力をつけて社会に貢献してもらいたいと思っています。


村井純
環境情報学部長